先週の日曜日、根津神社例大祭を見に行ってきました。
根津神社例大祭は、日枝神社山王祭と、神田明神神田祭と並んで、江戸幕府の将軍の命によって行われた天下祭(江戸3大祭り)のひとつです。
今年は、2年に1度の「本祭」です。
のんびり昼前、ふらっと根津へ出かけます。
根津神社に行く前に、根津神社近辺を散策。
境稲荷神社境内が寄合所になっている茅町町会や、向ヶ岡弥生町会など、多くの人々が祭りを楽しんでいます。
町会の寄合所では、焼きそば100円、氷50円など、とても良心的な価格で露天を出し、お祭りを盛り上げています。町会のお手伝いをしている女性の方がせわしなく準備をし、子どもたちの笑い声が飛び交っています。
表門の鳥居をくぐると、両側にぎっしり露天が並び、多くの人で賑わっています。
楼門をくぐると、神楽殿からお囃子の演奏が聞こえてきます。
いつもは、穏やかな境内ですが、この日は参拝する人がずらっと行列を作っています。
僕も並んで、静かにお参りします。
午後1時からは、境内で、「根津権現太鼓」が始まりました。
威勢のいいかけ声とともに、太鼓の音が高らかに鳴り響きます。
アクロバティックに飛び跳ねながら太鼓を叩き、こっちも浮き浮きワクワク。気分が高まります。
境内を出た後は、谷根千散歩。
谷根千の町一帯に、笛や太鼓の音が流れ、どこに行ってもお祭りムード。
家の前には、お祭りの提灯がぶら下がり、路地では、ハッピを着たわんぱく小僧とおてんば娘が、きゃっきゃと走り回っています。
この日は、日差しが照りつけ気温がぐんぐん上がり、また夏の1日が、ぶりかえしたようです。
「こりゃたまらん。」と、僕の(みんなの?)お気に入りの場所である「甘味処 芋甚」のアイスモナカ(小倉)をいただきました。控えめな甘さのアイスが、ひんやり口の中でとろけます。
それから、谷根千のいたるところでかけ声とともに練り歩く、町内神輿を見物。
狭い路地の中を、御神輿が駆け巡ります。神輿を担いでる老若男女、みなとてもカッコイイです。
不忍通りに出ると、谷根千の氏子中を練り歩いている「神幸祭」の行列に出くわしました。
神職が乗る日本古来の馬「木曽駒」。「猿田彦」の山車人形が乗る山車。黄色い装束姿の神官が曳く本社神輿「二之宮」。馬車をひく立派な白馬。人力車に乗ったかわいいお巫女ちゃん。などなど。
数百メートル続く長い行列が、粛々と進んでいきます。
根津神社の近くで、少しだけおばあさんにお雑煮のことを聞きました。
ここで生まれ、ここで育って、早80年。
「向かいの建物も今は立派になったけど、昔は3軒長屋が並んでいてねぇ・・・。」
と思い出話に花が咲きます。
神幸祭の行列と一緒に、根津神社に帰ってきました。
露店の並ぶ狭い参道すれすれを、御神輿が通り抜けていきます。
唐門前で、宮司が祝詞を読み上げて、「宮入り」神事が執り行われます。
一連の神事が終了した後は、御神輿を、拝殿隣の神輿庫に納めます。
ここが「神幸祭」のハイライト。
「神幸祭」の行列の時は車の上に載せられていた本社神輿を車から外し、男たちが担ぎ上げます。
大きな本社神輿「二之宮」。
屈強な男たちが担ぎ上げていますが、よれるよれる。。
唐門の前を行ったり来たり。でもさすがお祭り男たち。
「かけ声」をとどろかして、体勢を立て直します。
神様が酔っちゃうんじゃないかと心配になるくらい、御神輿が上下に揺れます。
根津神社の裏門前から、不忍通りを9基の町内神輿が一列に並んで渡御します。
ずらっと並んだ姿は、まさに壮観。
神輿が一丸となり、人々を巻き込みながら、長い長い固まりが進んでいきます。
だんだんと日が暮れ、神輿の提灯に灯りがともります。
神輿の担ぎ手たちのハッピは汗でぐっしょり。体中から汗を飛び散らせ、声を合わせ力を合わせます。
その瞬間、担ぎ手も、町会の人々も、見物客も、みんなの心が1つになりました。
僕も、祭りの余韻を味わいながら、とことこ家に帰ります。