谷中・根津・千駄木をくっつけて、谷根千。
谷根千は、僕の家から歩いて10分、自転車で5分ちょいのところにあります。東京の素朴な下町としてよく取り上げられる有名な場所なので、訪れたことのある方も多いと思います。
やっぱり“日暮里”なので、夕暮れ時が、僕の一番のお気に入り。
時間がゆっくり流れます。
■坂の多い町
谷根千は、上野台地と本郷台地の間の谷間にあるので、両側に坂道があります。
坂の1つ1つに趣深いエピソードがあります。
●富士見坂
高層ビルが建ち並ぶ東京23区で数少ない、富士山が本当に見える富士見坂。(特に、冬の澄んだ晴れた日に)富士山の右稜線を見ることができます(東京の富士見坂:日暮里・富士見坂)。
富士見坂上には、谷中・日暮里の総鎮守の諏訪神社があります。高台の上にあり、奥の見晴台から、東の街並みを眺めることができます。
(僕は引越してきた当初、ここがてっきり東日暮里4丁目の氏社だと思って、お参りしてました(汗)。)
●三崎坂
緩やかに延びる三崎坂。片側一車線で、よく車が通る坂です。
坂の上の方は寺町。お寺の塀が続きます。
三崎坂の上には、「初音六地蔵」が並んでいます。お供え物が絶えることはありません。
坂の真ん中辺りにある谷中小学校の正門は、入母屋造り・瓦屋根の江戸風な門。校舎の周りの壁もナマコ壁になっています。
●三浦坂
三浦坂は、樹木がかぶさり、両側に、寺の塀が続くところが多いので、「隠れ坂」のような感じがします。
途中には、猫も従業員になっている「ねんねこ家」があります。秘密の坂に、突然現れた「隠れ家」のようです。
●お化け階段
最近、整備されて階段が新しくなりました。周辺の建物は、おしゃれなマンションばかり。
でもまだまだお化け階段は健在です。
上から数える段数と、下から数える段数が、、、あれっ、違う!?お化けの仕業??
トリックは・・・(この写真の中に!?)・・。
他にもまだまだ、いわくありげな坂が目白押しです。
谷根千に行ったときは、汗を拭き拭き、坂を上り下りすると楽しいですよ。
■路地の先に、アートギャラリー
谷根千には、20軒以上のギャラリーがあります。
路地の中で迷子になっていると、突然目の前にギャラリーが現れます。
●ギャラリー KINGYO
狭い路地から出ると、目の前にギャラリーが。
友人が何度かここで展示をしています。今度また開催するそうなので、見に行かなきゃ。
※僕が東京にいるときにお願いします。
●喫茶・ギャラリー りんごや
谷根千に多い、喫茶兼用のギャラリー。
先日、行ったときは守屋和美さんの「森でのできごと」展をやってました(26日(日)まで展示してます。)。
守屋さんとちょっと話して、作品鑑賞。ほのぼのとした優しそうなクマさんがいます。
千葉晃子さんの手織りのクマがかわいらしくて気に入りました。
●GALLERY 猫町
ここ谷根千は、人間と競い合うように、猫たちが徘徊しています。
夏目漱石が「吾輩は猫である」を書いたのが、根津に住んでいるときでした。
今でも路地裏で、「人間ほど不人情なものはない。」などとおしゃべりしているのでしょうか。
■古き良き時代が感じられる町
谷根千は、江戸時代から昭和まで、古き良き時代の名残に触れることができます。
●観音寺の築地塀
江戸時代、谷中は寺町でした。今も、無数のお寺がひしめくように密集しています。
お寺は、寺ごとに塀で囲われていますが、特に、独特なのが観音寺の築地塀。補強のため、瓦や板を層状に土で固めて作ったものだそうです。
マンモスの歯の化石みたいです。
●やなか銀座
活気あふれる商店街。
テレビで紹介されて、いつも行列ができているメンチカツ屋さんをはじめ、多くの店がお客さんで賑わっています。夕暮れ時になると、地元の人が店頭で魚や総菜を買い求め、そこここで井戸端会議が始まっています。
僕は、時たま、30円のコロッケや、50円のアジフライなどを買い食いしています。
■せんべい屋さんのオンパレード
谷根千には、なぜか煎餅屋さんだらけです。10店舗はあるような気がします。
お寺参りに来るのは、どちらかというと年配の方が多いので、その方たちがよく買っているのでしょうか?それとも、観光客??
●谷中せんべい
ここは、日暮里駅から「夕焼けだんだん」の坂に向かう途中にあり、初めて谷根千散歩したときから、気になっていました。
●菊見せんべい総本店
三崎坂を下って、不忍通りにでる手前に建つ煎餅屋さんです。
創業明治8年(135年前!)。特に看板がしぶい。
四角形の「茶せんべい」を食べてみました。抹茶の味と甘さが解け合って、おいしい。抹茶味のドーナツのせんべいバージョンです!?
■季節に彩られる町
谷根千、特に谷中霊園は、樹木に囲まれ、四季の移ろいを感じることが出来ます。

桜咲く、さくら通り。
谷中霊園の墓石の上に、花びらが舞い落ちます。
4月上旬は、霊園の空も地面も桜色に染まり、お墓を優しく包みます。

桜の次は、ツツジ。
4月中旬から5月上旬まで、根津神社では、「つつじまつり」が開催されます。
これは、満開からちょっと日をおいて訪れたときの写真。坂の上の家のベランダに鯉のぼりが舞っています。
実は、谷中霊園と根津神社は、紅葉もきれいです。
12月上旬、赤や黄色のコントラストが一層鮮やかになり、散歩してると浮き浮きしてきます。
残念ながら、この時は写真を撮っていません(涙)。
秋が深まったころ、気が向いたら是非、谷中霊園の紅葉を見に、ふらっと散歩してみてください。
ちょっと離れていますが、谷根千から歩いて行ける六義園の紅葉もきれいですよ。
去年の六義園の紅葉の写真はこちら
■根津のたいやき vs 黄金たいやき
谷根千の特集には、必ずと言っていいほど出てくる「根津のたいやき」。
値段も手頃(140円)で、おいしいと評判のお店。行列が出来ていることも多く、売り切れたら店を閉めるそうで、午後3時頃通ると、閉まっていることもあります。
対するは、「根津のたいやき」から不忍通りを300mほど北に行ったところにある「黄金たい焼き」。
こちらも、雑誌等で取り上げられていますが、行列はあまりできていないので、人気では「根津のたいやき」の完勝でしょうか?!
ということで、食べ比べてみました。
まず、「根津のたいやき」。
薄い生地に、粒あんがぎっしり詰まっています。生地は柔らかく、ちょっとふにゃって感じで、あんの味が強い。ただ、ちょっと僕には甘すぎます。少し甘さが口の中に残り、何か飲み物が欲しくなります。
次に、「黄金たい焼き」。
こちらは韓国式のたい焼き(向こうでは、「タイ」ではなく、「フナ」とか「コイ」らしい。)。ちょっとシャープで、尾が大きいです。生地は厚みがあり、少しパリパリします。香ばしい生地の味が粒あんと絡みます。粒あんの甘さは、控えめです。こちらの方が小豆の形が残っていて、小豆を食べる感触があります。
結果は、、、パンパカパーン!「黄金たい焼き」の勝ち~!
黄金たい焼きの、控えめな甘さと、食べ応え(噛み応え?)が気に入りました。
とまぁ、こんな感じで、気の向くままに歩いています。
散歩しているとき、僕はよく、“赤毛のアン”こと、アン・シャーリーを思い浮かべます。
この路地・・・。彼女なら、なんて名前を付けるだろう・・・。
化け猫に襲われる小径
ダメか~(笑)。
散歩のコツは、空想(妄想?!)すること。
その魔法のステッキをふると、ありふれた毎日が“心ときめく1日”に変わる魔法にかかっちゃいますよ!?
お知らせ:10月9日(土)、10日(日)に、「谷中まつり」が開催されますよ!
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もっと写真を見たい方は、
「谷根千」写真集
をご覧ください。
※ここの写真は、今まで撮った写真の中から選びました。
4 件のコメント:
次回は、黄金たい焼きと四谷のたいやきの食べ比べのレポートを希望します。
> 狛 さん
「四谷のたいやき」も有名なんですね。
写真等を見る感じでは、僕好みのたい焼きのようです。
機会があったら食べたいと思います。
「根津のたいやき」は、神社入り口交差点、神社側へ10mぐらい入った左側、小さな和風の喫茶店「みのりCafe]で、持ち込みOKで、ゆっくり食べることができますよ。
たい焼き屋の店先にも、掲示してありました。
たい焼きの甘さと、コーヒーは合いますね。
> すずき さだ さん
そうなんですか。知りませんでした。
また機会があったら、覗いてみようと思います。
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