本当に嬉しくありがたいことに、前回の旅よりたくさん声をかけられている気がします。
前回に輪をかけて、ゆっくりゆっくり進んでいるからでしょうか?
大体時速10キロぐらいで、のんびり走っています。神社を見かけたらお参りしてみたり、意味なくぼーっと休憩してみたり・・。
お雑煮のことも、聞き始めるとスイッチが入ったように、おばあちゃんを中心に、道行く人たち、庭に出ている人たちに、声をかけています。
厚木に向かっている途中、藤沢市の住宅街でおばあさんに声をかけました。
お雑煮のことを教えてもらったあと、おばあさんから、
旬の時期に手に入れた大根や芋茎を、乾燥させてから冷凍保存してとっている。
という話を伺いました。
なるべく野菜は旬の時期のものを活用するそうです。
昔ながらの生活スタイルをこのモノがあふれる社会で守り続けているのは、本当にすごいです。
そのおばあさんに、
「芋茎を食べたことがある?」
と聞かれました。
「いや・・・ないと思います。」
と答えたら、
「家に食べにいらっしゃい。」
と誘ってくれました。
家に着くと、話を聞いたおじいさんと一緒に僕を歓迎してくれます。
芋茎だけではと、お昼ごはんも用意してくれました。
フキの煮物や漬物など、まさにおばあちゃんの味。ほっとします。
芋茎は初めて食べました。
この芋茎は、八つ頭ができる里芋の茎で、噛みごたえがあり、シャキシャキしてとてもおいしいです。
味付けもちょうどよく、ご飯がドンドン進みます。
あっという間に平らげてしまったので、おかわりまでいただいちゃいました。
2時間ほど、お話したあと、お暇することになりました。
凍らして保存してあった煮物や、あられなどのお菓子詰め合わせをいただき、そして、使いまわして少し緑色に変色したペットボトルに、家でわかしたお茶を入れてくれます。
野菜を、わざわざ乾燥させて冷凍保存したり、ペットボトルを使いまわしたり(僕も今、使い回しのペットボトルに水道水を入れて持ち歩いています。)、モノを大切にする豊かな精神が、普通に息づいています。
同じ時代に生きていますが、生活スタイルが僕たちと全く違います。
周りの環境は、簡単に人間を変えてしまうことを実感します。
「今度、来たときは是非泊まっていって。」
とあたたかい言葉で見送ってくれました。
まだ出発して間もない今回の旅ですが、すでにたくさんの恩を受けています。
前回の旅も合わせると、もう受けた恩は数えきれません。
我がお師匠のドン・キホーテは、人間の犯す最大の大罪として「忘恩」を挙げています(恩の返し方は、ハチャメチャですが・・・。)。
正直、旅の途中に僕を助けてくれたすべての人に、恩を返すことはできません。
通りすがりの僕に、餞別や差し入れ、あたたかい言葉をかけてくれる人に、その場ではただ感謝するぐらいです。
受けた恩を当人に返すことは当然ですが、旅で会う人のほとんどは、一期一会。
受けた恩は、違う形で違う人に、バトンを渡すように、返していくことが大切なんじゃないか・・と思うようになりました。
でも、僕は、その人達のように、僕の周りにいる人に、あたたかい言葉をかけたり、身銭を切ることができるだろうか・・。
いまだ五里霧中です。
ズバリ答えは、旅の中にある!・・わけないか(笑)。
3 件のコメント:
旅の途中で困っている人に遭遇した時に、今の問いに対する答えが見えてくるのでは?
ペットボトルは定期的に新品に入れ換えた方が良いかも。
> 狛 さん
そうですね。
切羽詰った時ほど、その人の地がでますよね。その時、僕のダメさ加減を思い知りそうで怖いですが・・・(汗)。
ペットボトルはまだ換えてませんが、目で見て汚くなっていたら交換します。ゴミ箱にたくさんペットボトルはありますしね!?
追記:
いただいた親切を第三者に返すことは、「恩送り」と言うそうです。
ちゃんと名前が、あったんですね。
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