2010/05/26

「お雑煮をめぐる冒険」の始まり

旅の間の自転車はかなりの重装備です。
フロントサイドバッグを前方左右に取り付け、正面にフロントバッグ。リアサイドバッグを後方左右に取り付け、荷台にテント、寝袋、マット、防寒具(冬)を載せています。総重量は計ったことがないので分かりませんが、50㎏は下らないと思います。この前のゴールデンウィーク、自転車の荷台に寝袋と着替え少々だけを載せ、碓氷峠を越えて軽井沢や佐久へ行きましたが、フル装備の時とは比べものにならないほど楽でした。

そんな自転車に乗っているため、行く先々でよく声をかけられます。

三重県の伊賀市にいるとき、せっかく地元の人と話をするのだから何か尋ねることがないかと考えた末に、「お雑煮」を思いつきました。「お雑煮」は、地域ごとに特色があると聞きかじっていたためです。
旅の“おまけ”として、地元の人と話すついでに聞こうと始めたのですが、これがめちゃくちゃ面白く、3日もしたら、僕の方から道行く人に声をかけるようになり、しまいにはお宅訪問までするようになってしまいました。

それから、約8ヶ月の間、その土地土地で尋ねた「お雑煮」のことをGoogleマップ上にまとめてみました。

それが、リンクリストにも入っている

お雑煮マップ

です。

ここには、今日現在、前回の旅の間に大阪・奈良・三重で聞いた、約1300件のお雑煮の情報を登録してあります。
この「お雑煮マップ」を漠然と見ても何のことやら分からないと思うので、近いうちにこのマップの見どころ等を書きたいと思います。

乗りかかった船なので、前回行った東北にもう一度行って、お雑煮のことを聞いてきたいと思っています。

これからしばらく、お雑煮について書くことにします。

番外編:写真でつづる長野3泊4日の旅

高崎市の少林山達磨寺に展示してある「りんごの木だるま(青森)」
高崎市の少林山達磨寺に展示してある「りんごの木だるま(青森)」
この達磨を見て、「千と千尋の神隠し」の頭(かしら)を思い出した。
「千と千尋の神隠し」は僕の好きな映画の1つだ。この映画は、日本の文化・伝統の豊かさや素晴らしさを教えてくれ、見れば見るほど味が出る。でも、「なぜ千尋は、12頭の豚の中に両親がいないことを当てられたか?」が未だにわからない・・・。

中山道の坂本宿にある古い建物
中山道の坂本宿にある、うだつの上がる町屋建築
前回の旅の途中から、街道とか宿場とかが気になって仕方ない。特に東海道を通っているときに、そのおもしろさに気がついた。弥次さん喜多さんになったつもりで宿場町を見渡すと、古ぼけた家並みが新鮮な魅力を持って迫ってくる。

内山峠から群馬県側を望む
内山峠から群馬県側に延びるつづら折りの急勾配。
峠はとにかく下りがヤバイ。勝手にスピードが出てしまうため事故る可能性が高いのだ。この下りでも時速60㎞ほどのスピードが出た。ついついスリルを求めてしまう僕の性格を封じ込めて、スピードを出さないようにしたいのだが・・・。

続きは、Webアルバムの「長野3泊4日の旅 2010/05/03-05/06」へ。
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2010/05/23

日本100名城

日本100名城は、秋田県の佐竹資料館で、ポスターを見て知りました。その時、日本100名城のスタンプラリー帳をもらって、何気なくスタンプを押したのが始まりでした。

僕は、お城を見るのは好きでしたが、ただ「カッコイイ堂々とした姿」が好きなだけで、ほとんどお城のことは知りませんでした。しかし、スタンプを押すついでに付設資料館等に入ったりして、そのお城の歴史や成り立ちなどを知ると、どんどん、その魅力にとりつかれていきました。

根室半島のヲンネモトチャシ(?)
アイヌの城(チャシ:アイヌ語で「砦」や「柵」の意味。)、根室半島のヲンネモトチャシ(建物の奥の海に突き出た部分)。チャシは、「何かがあるときにみんなが集まる場所」だったみたいだ。会議をしたり、祭りをしたり、戦争時は砦だったり。人が共同生活をすれば、集まる場所が必要になる。

前回の旅で、「行く場所のことを事前に調べておかないと後悔する」ことに気づきました。下調べせずに行くと、そこで見たものは「印象」しか残りません。しかし、鑑賞ポイントを知っておくと、注意を払う場所が分かり、より深くその対象を見ることができるようになります。

城についても、ネットで調べたり、図書館などで城についての本を読んだりして、城の歴史や、縄張り、天守の形式、石垣の積み方などをできるだけ頭に叩き込んでおきました。それから城を見ると、お城の各部や城ごとの違いが、おぼろげながらわかり、見るのが一層楽しくなります。

多賀城の政庁跡
奈良時代(724年)に創建された城、宮城県の多賀城。まだ東北が蝦夷(えみし)の地だった時代、大和政権の最前線に置かれた城。歴史は中央(権力者)より語られる。松尾芭蕉はこの地に来たとき、涙を流すほど感動したらしい。

そんなわけで今では、苔むした石垣を見るだけで感慨にふける、立派な、いや、駆け出しの“城オタク”になってしまいました。城跡に気づけば、日本100名城に関係なく足を運ぶことにしています。

岩村城址の石垣
日本3大山城の1つ、岐阜県の岩村城。城下町の面影を残す山深き里にある。沿道を歩いていると、道行く人たちがよく声をかけてくれた。「農村景観日本一」(写真へリンク)の称号を持つ日本の原風景が広がる。

現在、スタンプを押した城は29城です。
日本100名城のスタンプを押した城の一覧

スタンプは、旅と共に押そうと思っています。
僕は、普段、半径20キロ以内なら自転車で行動しているので、この1年、皇居の前を数え切れないほど通っています。ただ通るだけじゃなく、天気のいい日は、皇居のまわりを石垣を眺めながらグルグルまわったり、芝生の上で寝っ転がって昼寝したりしていました。でも、江戸城のスタンプはまだ押してません。

1つ1つ自分の足で尋ねると、初めはただの点だったのが、線になり、面になり、3D(武将のネットワーク、勢力範囲、城の発展や日本の歴史)になる。

城巡りは、おもしろい。

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2010/05/19

日本一周について

この旅の目的の1つは、自転車で日本一周することです。

途中で帰ってきた前回の旅と合わせて、日本一周を達成しようと思っています。
何をもって日本一周達成にするのか、いろんな基準があると思いますが、
下記2点の達成をもって、日本一周したことにしようと思っています。

それは、
  1. 47都道府県庁の前で写真を撮る。
    現在の達成状況
  2. 離島を含まない本土(北海道、本州、四国、九州)の東西南北端(北:宗谷岬、東:納沙布岬、南:佐多岬、西:神崎鼻)で写真を撮る。
    現在の達成状況
の2点です。

この定義は、『新自転車漂流講座』を参考にしました。
著者の埜口保男(のぐちやすお)さんは、自転車で2度も世界一周をしたすごい人です。この本には、自転車旅の装備品や、ノウハウ、注意点などが書いてあり、とても役に立ちました。

また、上記2点にプラスして、

なども考えています。

やっぱり端はいい。

「旅人は、端が好き。」という定説(?)に漏れず、僕も端が好きです。こういう旅をしていると特にその傾向が強まって、意味なく端を目指して走ってしまいます。端に続く道は険しい道が多く、途中、「何でこんな遠回りしてんだろ?」と、ふと疑問に襲われたりしますが、到着すると妙な達成感を感じ、次回、また端に針路を向けてしまいます(汗)。

竜泊ラインにある眺瞰台犬吠埼(写真へリンク)や、男鹿半島の入道崎(写真へリンク)、御前崎(写真へリンク)など、端に到達し、灯台が見えたときの感動はやみつきになります。

青森県の竜飛崎に続く「竜泊ライン」(写真へリンク)では、台風が接近し、風が吹き荒れていました。つづら折りに延びる「竜泊ライン」は、雲の中へ続いていく。雲の中は、水蒸気で周りが見えず、霧雨のせいでものすごく寒かったけど、“竜の巣”に入った感激はそれら全てを完全に上回っていました。

新しい土地に入る前には、旅行ガイドブック等でその土地の情報を仕入れて、しっかり観光もしています。この観光のため、当初の「4ヶ月で日本一周計画」は破綻しました。

こういうわけで、旅はどんどん延びていったわけですが、前回の旅の途中に、あと2つ、「やりたいこと」が増えました。それは、「日本100名城巡り」と、「各地のお雑煮調査」です。この2点については、次回、次々回のブログで説明します。

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2010/05/14

泥くさく、青くさく。

また、旅に出よう。

2007年8月、4ヶ月で日本一周をしようという軽いノリで、自転車にまたがって東京を出発しました。そんな僕の浅はかな予想を見事に裏切って、旅はどんどん長くなりました。

日本は、でかく、奥深かった。
行く先々で、自分が日本のことを全く知らないという事実に打ちのめされ、1年半後、途方に暮れ、逃げるように東京に帰ってきました。
それから、1年と数ヶ月。サイクリングしたり、美術館巡りしたり、物思いにふけったり、、あと、バイトしたり。時が過ぎるのはあっという間です。

江戸時代、岐阜のある集落では、子供がある年齢に達すると、「抜け参り」するように仕向けたそうです。「抜け参り」とは、子供が親の、奉公人が主人の許可を得ず、勝手に伊勢神宮参詣に出かけること。当時、伊勢神宮参詣は、一般庶民にとって一生に一度行けるか行けないかという憧れのイベントでした。莫大なお金がかかりましたが、例え無一文で出かけても、街道筋などの人々の援助のおかげで、伊勢神宮参詣することができたそうです。

しかし、そうだと言っても、当時の事情を考えれば命をかけた旅だったでしょう。なぜ親は、愛する子供にそんな危険な旅をするよう仕向けたのでしょうか?

それは、


“人は一人では生きられない。”


ことを身をもって体験させるため。少年から大人への、厳しい通過儀礼のようなものでした。
僕のこの旅も、このようなものの気がしてなりません。

自転車でのんびり進む旅で最もうれしいことは、
絶景を眺めることでも、土地の特産物を食べることでもなく、
そこに住む人々との交流です。
前回の旅では、多くの人々と話をし、励まされ、そして、助けられました。
今回は、どんな出会いがあるのだろう。
今月末か来月初旬に、出発しようと思っているのですが、心は既に「旅モード」です。

Action with Passion.

未だ共に議するに足らず。

2010年5月14日
水野誠人
shoeless.m@gmail.com