2010/09/08

千葉のお雑煮のキーワードは、“のり”!?

8月30日(月)、佐倉城址公園の東屋のベンチで、力尽きるように、横になって寝ていました。

29日の夜、写真の整理やブログの作成をしようと、京成佐倉駅近くのマクドナルドに行きました。
19時すぎから始めましたが、思ったより時間がかかり、結局、完成させることができないまま、深夜3時、店を出ました。

まだ初めだから慣れないのだろうか・・・。この先が思いやられます。

朝、東屋でボーッとしていたら、黄色い服を着た20人以上の団体の方が東屋にやってきました。

「おはようございます。」とあいさつをすると、女の人(江戸さん)が声を掛けてくれました。

その団体の方たちは、「佐倉市民カレッジ」の学生(?)で、今日は公園の清掃活動をしていたようです。
江戸さんが熱心に僕のことを聞いてくれたので、「自転車で日本全国を回る予定なんですけど、まだ4日前に出発したばっかりなんです。」などと話がはずみました。

江戸さんは、佐倉のことや、佐倉市民カレッジなどについて話してくれました。
カレッジと言うだけあって、4年間しか参加することができません(江戸さんは現在2年生。留年はあるのか聞くの忘れました(汗)。)
カラオケやボーリング、運動会など、催し物盛りだくさんで、とても楽しい大学生活のようです。
江戸さんはじめ、皆さんが生き生きしていたのが、印象的でした。
そんな楽しい会話をしていると、東屋で今日の清掃活動の報告会(講義?)が始まったので、邪魔しちゃ悪いなと荷物をまとめ、あいさつをして東屋から立ち去りました。

そのまま、一旦は城址公園から出たのですが、お雑煮のことを聞かなかったのがものすごく気になって仕方ありません。
江戸さんは(名前が“江戸”なのに)大阪の出身ですが、地元出身の方も多いはずなので、やっぱりこの機会を逃すわけにはいかないと、もう一度、東屋に戻りました。

東屋では、ゴミ問題について(?)まだ議論していましたが、一段落ついた時を見計らって、「この辺りのお雑煮のことを教えてください。」って皆さんに声を掛けました。
皆さん、心良く受け入れてくださり、ちょうど僕の近くにいた人たちが、地元出身の方たちだったので、僕もそこに混じり、お雑煮談義のスタートです。

話を始めると、すぐ出てきたのが、「ハバノリ」です。

僕は、この2日前、佐倉図書館に行き、「聞き書 千葉の食事」や、「白井市の民俗」など、お雑煮のことが載っていそうな郷土資料を、片っ端から物色していました。そのとき、初めて知ったのが、「ハバノリ」です。

いきなりその「ハバノリ」が話題に上るとは!

九十九里出身の方は、3種類ののり(ハバノリ、青のり、焼のり)を、手でもんで、かつお節と一緒に、雑煮に入れると言っていました。
年末になると、お店などの店頭に「ハバノリ」が並ぶそうです。ただ、値段が高いらしく、そのため「家では入れていない。」と言う方もいました。
房州(房総半島南部の国)の人たち、特に海岸に住む人たちは、ハバノリを雑煮に入れるよ。」と聞くと、本に書いてあるのを読むのとは違った、新鮮でリアルな感動があります。

佐倉出身の方が、「大根の葉を天日にさらして乾燥させ、火であぶったものを、手でもんでボロボロにして雑煮に入れる。」とおっしゃっていました。

このやり方は、先ほどの「のり」の「大根の葉バージョン」です。
「のり」があまり手に入らない内陸の地域では、のりの代用として、大根の葉を使用したのでしょうか?
しかし、「聞き書 千葉の食事」に、佐倉市の隣の内陸の町・八街市では、雑煮に「ハバノリ」を入れると載っていたのもあり、謎は深まります。こういうことを聞くと、僕なりに真相を確かめたい気持ちに駆られてしまいます。

前回、房総半島を一周しましたが、もう一度、一周しないとだめだと誘われているようです。
また今度、今年の冬辺り、野島崎灯台を見ることになりそうな予感がします。

現在、一旦、家に帰ってきています。

ノートパソコン一式が予想以上に重く辛いので、現在、もっと軽いノートパソコン(PDA?)の購入を検討しています。
また、ちょっと旅をして気になった荷物の整理や、日記・写真の整理、スキャンピ!から送られてきた書籍PDF(けっこう、いい感じです。)のダウンロード・保管などしています。

雑煮を調べるに当たって、「一般に知られていること」については、できるだけ事前に知っておきたいという思いを強く持っています。
理想を言えば、現在、お雑煮について書き残してある文献や資料、論文、紙切れなど、全てを把握したうえで、地元の人々に「家のお雑煮」を尋ねたいと考えています。ただ、それは僕の能力じゃ、ちょっと、いや、限りなく、無理な気がします・・・。

先ほどまで、図書館から借りてきた「日本の食生活全集 聞き書 ○○の食事」シリーズのページをめくって、お雑煮に関する事柄について調べていました。

この「聞き書 ○○の食事」シリーズは、47都道府県全ての伝統的食文化について書き記した、膨大な食のデータベースです。
ちょっと流し読みするだけで、地域ごとに脈々と培われてきた日本の食文化の奥深さに、気が遠くなりそうになります・・。

そして、ますますおばあちゃんのことが大好きになります(!?)。
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いつも、温かい励まし、ありがとうございます。

7 件のコメント:

たみこ さんのコメント...

あまりにも専門的になり過ぎると前に進めないのではありませんか?  もう少し気軽に考えて楽しんで下さい。  
まだ暑いし これから台風も来 雨も多くなると思いますので気を付けて色々な地方を見てきて下さい。 

狛 さんのコメント...

「一夜限りの一夜城、台風との格闘!!」なんて劇的な内容の記事が読める日が来るのではないかと少し期待してしまいました。(失礼!)

Masato.M さんのコメント...

> たみこ さん

ぶっちゃけ、意味ないのに深入りしていく自分に、僕も戸惑っています(汗)。

聞き書 愛知の食事」に立田村での聞き書きが載っていて、そこに「お雑煮に黒砂糖を入れる人もいる。」と書いてありました。

えっ!?立田村で? ビックリです。

お雑煮の中に黒砂糖を入れる人が、愛知県にいることは知っていましたが、てっきり知多半島など海沿いの人かと思っていました。

そういえば、山田さんちの紅茶は砂糖たっぷりで甘すぎて飲めませんでしたが(汗)、砂糖たっぷり文化(?)が、名古屋近辺にあるのかもしれません。


> 狛 さん

今、外は大雨が降っています。
もうすぐ台風が直撃するみたいですね。

今年は台風が多いみたいですし、狛さんの期待に応えられる日がきっと来ると思います。
もし死にそうになっていたら、助けに来てくださいね。(>_<)

匿名 さんのコメント...

聞き書 千葉の食事で検索してたどり着きました。
このシリーズが欲しくて古本を探しております。

>「大根の葉を天日にさらして乾燥させ、火であぶったものを、手でもんでボロボロにして雑煮に入れる。」
これは干葉(ヒバ)と言います。最近では入浴剤として売ってたりもします。
冬に大根の葉を陰干ししたものですね。日に当てると黄色くなっちゃうそうです。
千葉に限らず色々な地域で作られているようです。
雑誌・本等では干葉と千葉の読み間違いなのか「千葉の郷土食」等と書いてあるものもチラホラ。千葉だけの物じゃないです。

Masato.M さんのコメント...

> 匿名 さん

コメント、ありがとうございます。

貴重な情報をお知らせいただき、ありがとうございました。
千葉じゃなくて、干葉。
ちゃんと名前があったんですね。
早速ネットで検索してみると、ご飯に混ぜたり、お風呂に入れたり、お雑煮に入れたり、とても身体にいい食材のようですね。

干すのは、「陰干し」なんですね。
ふむふむ、なるほど。とても勉強になります。

「聞き書 ○○の食事」は、読めば読むほど深みにはまりそうな、とても面白い本です。
古本が見つかるといいですね!

匿名 さんのコメント...

ハバは海苔というよりアオサと同じような感じですね。
アオサも海苔ですけど。
銚子方面に海草という食べ物があります。
ハレの食べ物ですね。コトジツノマタという海草を煮溶かして固めたものです。海草コンニャク等とも言うそうです。
これは独特のものです。
子供の時は大嫌いでしたけど歳をとってからしみじみと食べると意外に・・・やっぱ不味いです。
でもなんとなくたまに食べたくなるんですよね。
私はもみ海苔に酢醤油で食べるのが好きです。
子供の頃のイメージとしては「ヤマト糊食べたらこんな味」でした。
まあ体には良さそうです。
銚子で海草というとコレを指します(ケーソーと訛りますが)。
千葉の食事にも出てきますね。
母方が旭市の出身でこういったものを知っています。正月に食べるんだなあ。
3月ドライブがてら銚子に行ってツノマタたくさん買ってきました。
最近地方に行くと一次産業で「外国人研修生」の文字をたくさん見ます。銚子もそうでした。あちこちに紹介しますのカンバンが。考えさせられますね。

Masato.M さんのコメント...

> 匿名 さん

アオサは、前回の旅で三重に行ったとき初めて知りました。志摩のあたりでは、特産品として売られていました。
その辺りの漁村では、お雑煮にアオサを入れている人もいました。やっぱり、地元で採れる貴重な食材は、ハレの食べ物として、ふんだんに使われるんですね。
アオサ汁もいただきましたが、こちらは美味しかったです。


ネットで銚子の「海草」見ましたが、プルンプルンとした感じが美味しそうです。1度食べてみたいですね。

「何となくたまに食べたくなる」。
わかります、わかります。そういうものってありますよね。僕は、冷やし中華に「マヨネーズ」を入れたくなります。


現在、一次産業やサービス業では、たくさんの外国の方が働いていますね。
東京でも、コンビニや居酒屋など、外国の方たちの頑張っている姿を頻繁に見ることができます。

前回の旅の途中、三重県にいるとき、リーマンショックが起こりました。それに伴って起こった「派遣切り」の影響を東海地方は特に受けた地域です。(僕も「派遣切り」と間違えられ、、、、というか、同じようなものですね。)
四日市の海岸で日系ブラジル人の方たちがサンババーベキュー大会(踊ってました!)をしていましたが、バタバタ解雇されて帰国する方が多いと聞きました。

また、三重県鳥羽市に、「浦村」というカキの養殖が盛んなところがありますが、そこで働いている若い女の子たちの話し声が、中国語ばかりだったのが印象に残っています。

地方の過疎化や少子高齢化は、僕の目にもとても深刻に映りました。
そのことで地元の方と議論したこともあります。
通りすがりの旅人である僕には、今そこで実際に生活している人々の深刻さを、真に理解することはできないのかもしれません。

またこのことについては改めて書きたいと思っています。

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