2010/09/24

谷根千散歩 ~移りゆく季節とともに~

日曜日に見物に行った根津神社例大祭「神幸祭」のことを書こうと思いましたが、その前に、、、ご近所の谷根千について紹介します。

谷中・根津・千駄木をくっつけて、谷根千
谷根千は、僕の家から歩いて10分、自転車で5分ちょいのところにあります。東京の素朴な下町としてよく取り上げられる有名な場所なので、訪れたことのある方も多いと思います。

やっぱり“日暮里”なので、夕暮れ時が、僕の一番のお気に入り。
時間がゆっくり流れます。

■坂の多い町

谷根千は、上野台地と本郷台地の間の谷間にあるので、両側に坂道があります。
坂の1つ1つに趣深いエピソードがあります。

●富士見坂


富士見坂下

高層ビルが建ち並ぶ東京23区で数少ない、富士山が本当に見える富士見坂。(特に、冬の澄んだ晴れた日に)富士山の右稜線を見ることができます(東京の富士見坂:日暮里・富士見坂)。
富士見坂上には、谷中・日暮里の総鎮守の諏訪神社があります。高台の上にあり、奥の見晴台から、東の街並みを眺めることができます。
(僕は引越してきた当初、ここがてっきり東日暮里4丁目の氏社だと思って、お参りしてました(汗)。)


●三崎坂


三崎坂

緩やかに延びる三崎坂。片側一車線で、よく車が通る坂です。
坂の上の方は寺町。お寺の塀が続きます。

三崎坂上の地蔵菩薩 初音六地蔵

三崎坂の上には、「初音六地蔵」が並んでいます。お供え物が絶えることはありません。

谷中小学校

坂の真ん中辺りにある谷中小学校の正門は、入母屋造り・瓦屋根の江戸風な門。校舎の周りの壁もナマコ壁になっています。

●三浦坂


三浦坂

三浦坂は、樹木がかぶさり、両側に、寺の塀が続くところが多いので、「隠れ坂」のような感じがします。

ねんねこ家

途中には、猫も従業員になっている「ねんねこ家」があります。秘密の坂に、突然現れた「隠れ家」のようです。

●お化け階段


お化け階段

最近、整備されて階段が新しくなりました。周辺の建物は、おしゃれなマンションばかり。
でもまだまだお化け階段は健在です。
上から数える段数と、下から数える段数が、、、あれっ、違う!?お化けの仕業??
トリックは・・・(この写真の中に!?)・・。

他にもまだまだ、いわくありげな坂が目白押しです。
谷根千に行ったときは、汗を拭き拭き、坂を上り下りすると楽しいですよ。

■路地の先に、アートギャラリー

谷根千には、20軒以上のギャラリーがあります。
路地の中で迷子になっていると、突然目の前にギャラリーが現れます。

ギャラリー KINGYO


ギャラリー KINGYO

狭い路地から出ると、目の前にギャラリーが。
友人が何度かここで展示をしています。今度また開催するそうなので、見に行かなきゃ。
※僕が東京にいるときにお願いします。

●喫茶・ギャラリー りんごや


りんごや

谷根千に多い、喫茶兼用のギャラリー。

先日、行ったときは守屋和美さんの「森でのできごと」展をやってました(26日(日)まで展示してます。)。
守屋さんとちょっと話して、作品鑑賞。ほのぼのとした優しそうなクマさんがいます。
千葉晃子さんの手織りのクマがかわいらしくて気に入りました。

GALLERY 猫町


GALLERY 猫町
ここ谷根千は、人間と競い合うように、猫たちが徘徊しています。

夏目漱石が「吾輩は猫である」を書いたのが、根津に住んでいるときでした。
今でも路地裏で、「人間ほど不人情なものはない。」などとおしゃべりしているのでしょうか。

■古き良き時代が感じられる町

谷根千は、江戸時代から昭和まで、古き良き時代の名残に触れることができます。

●観音寺の築地塀


観音寺の築地塀

江戸時代、谷中は寺町でした。今も、無数のお寺がひしめくように密集しています。
お寺は、寺ごとに塀で囲われていますが、特に、独特なのが観音寺の築地塀。補強のため、瓦や板を層状に土で固めて作ったものだそうです。
マンモスの歯の化石みたいです。


●やなか銀座


やなか銀座

活気あふれる商店街。
テレビで紹介されて、いつも行列ができているメンチカツ屋さんをはじめ、多くの店がお客さんで賑わっています。夕暮れ時になると、地元の人が店頭で魚や総菜を買い求め、そこここで井戸端会議が始まっています。

僕は、時たま、30円のコロッケや、50円のアジフライなどを買い食いしています。


■せんべい屋さんのオンパレード

谷根千には、なぜか煎餅屋さんだらけです。10店舗はあるような気がします。
お寺参りに来るのは、どちらかというと年配の方が多いので、その方たちがよく買っているのでしょうか?それとも、観光客??

●谷中せんべい


谷中せんべい

ここは、日暮里駅から「夕焼けだんだん」の坂に向かう途中にあり、初めて谷根千散歩したときから、気になっていました。

●菊見せんべい総本店


菊見せんべい総本店

三崎坂を下って、不忍通りにでる手前に建つ煎餅屋さんです。
創業明治8年(135年前!)。特に看板がしぶい。

菊見せんべい総本店の茶せんべい
四角形の「茶せんべい」を食べてみました。抹茶の味と甘さが解け合って、おいしい。抹茶味のドーナツのせんべいバージョンです!?

■季節に彩られる町

谷根千、特に谷中霊園は、樹木に囲まれ、四季の移ろいを感じることが出来ます。

谷中霊園 さくら通り

桜咲く、さくら通り。
谷中霊園の墓石の上に、花びらが舞い落ちます。
4月上旬は、霊園の空も地面も桜色に染まり、お墓を優しく包みます。

根津神社 つつじまつり

桜の次は、ツツジ。
4月中旬から5月上旬まで、根津神社では、「つつじまつり」が開催されます。
これは、満開からちょっと日をおいて訪れたときの写真。坂の上の家のベランダに鯉のぼりが舞っています。

実は、谷中霊園と根津神社は、紅葉もきれいです。
12月上旬、赤や黄色のコントラストが一層鮮やかになり、散歩してると浮き浮きしてきます。
残念ながら、この時は写真を撮っていません(涙)。
秋が深まったころ、気が向いたら是非、谷中霊園の紅葉を見に、ふらっと散歩してみてください。

ちょっと離れていますが、谷根千から歩いて行ける六義園の紅葉もきれいですよ。
去年の六義園の紅葉の写真はこちら

■根津のたいやき vs 黄金たいやき

谷根千の特集には、必ずと言っていいほど出てくる「根津のたいやき」。

値段も手頃(140円)で、おいしいと評判のお店。行列が出来ていることも多く、売り切れたら店を閉めるそうで、午後3時頃通ると、閉まっていることもあります。

対するは、「根津のたいやき」から不忍通りを300mほど北に行ったところにある「黄金たい焼き」。
こちらも、雑誌等で取り上げられていますが、行列はあまりできていないので、人気では「根津のたいやき」の完勝でしょうか?!

ということで、食べ比べてみました。

根津のたいやき

まず、「根津のたいやき」。

薄い生地に、粒あんがぎっしり詰まっています。生地は柔らかく、ちょっとふにゃって感じで、あんの味が強い。ただ、ちょっと僕には甘すぎます。少し甘さが口の中に残り、何か飲み物が欲しくなります。

黄金たい焼き

次に、「黄金たい焼き」。

こちらは韓国式のたい焼き(向こうでは、「タイ」ではなく、「フナ」とか「コイ」らしい。)。ちょっとシャープで、尾が大きいです。生地は厚みがあり、少しパリパリします。香ばしい生地の味が粒あんと絡みます。粒あんの甘さは、控えめです。こちらの方が小豆の形が残っていて、小豆を食べる感触があります。

結果は、、、パンパカパーン!「黄金たい焼き」の勝ち~!
黄金たい焼きの、控えめな甘さと、食べ応え(噛み応え?)が気に入りました。

当然、好みは分かれると思うので、機会があったら是非食べ比べてみてください。

とまぁ、こんな感じで、気の向くままに歩いています。

散歩しているとき、僕はよく、“赤毛のアン”こと、アン・シャーリーを思い浮かべます。

子猫のいる路地

この路地・・・。彼女なら、なんて名前を付けるだろう・・・。

化け猫に襲われる小径

ダメか~(笑)。

散歩のコツは、空想(妄想?!)すること。

その魔法のステッキをふると、ありふれた毎日が“心ときめく1日”に変わる魔法にかかっちゃいますよ!?


お知らせ:10月9日(土)、10日(日)に、「谷中まつり」が開催されますよ!
谷中まつりの案内チラシ
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もっと写真を見たい方は、

「谷根千」写真集

をご覧ください。
※ここの写真は、今まで撮った写真の中から選びました。
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いつも、温かい励まし、ありがとうございます。

4 件のコメント:

狛 さんのコメント...

次回は、黄金たい焼きと四谷のたいやきの食べ比べのレポートを希望します。

Masato.M さんのコメント...

> 狛 さん

「四谷のたいやき」も有名なんですね。
写真等を見る感じでは、僕好みのたい焼きのようです。

機会があったら食べたいと思います。

すずき さだ さんのコメント...

「根津のたいやき」は、神社入り口交差点、神社側へ10mぐらい入った左側、小さな和風の喫茶店「みのりCafe]で、持ち込みOKで、ゆっくり食べることができますよ。
たい焼き屋の店先にも、掲示してありました。
たい焼きの甘さと、コーヒーは合いますね。

Masato.M さんのコメント...

> すずき さだ さん

そうなんですか。知りませんでした。

また機会があったら、覗いてみようと思います。

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