2010/08/10

民家園めぐり 第2回 ~茅葺きの魅力にとりつかれて~

民家園めぐりの続きです。

民家園めぐり 第1回」の最後に書いた、「茅葺き体験」の告知がとても気になったので、7月25日(日)に次大夫堀公園民家園に行きました。

同じ世田谷区にある岡本公園民家園に寄ったあと、午後1時半からの「茅葺き体験」に参加しました。

参加者は4人!茅葺きスタッフや民家園の学芸員は、倍の8人。

参加者のうち、僕以外の3人は常連さんっぽく、純粋な飛び入り参加者は僕1人だけのような気が・・・(汗)。午前の部では、鍛冶の会の人たちが助っ人として参加していたみたいですし、どうやら茅葺きに興味を持つ人は少ない、いや、珍しい人のようです・・・。

茅葺き体験会場この「茅葺き体験」では、茅葺き屋根の部材の呼び方や構造、縄の結び方や茅の葺き方の説明をしてくれました。
今まで何気なく眺めていた茅葺き屋根ですが、構造や葺き方がわかると、より詳しく見ることができるような気がします。
茅葺きの骨組みとなる竹の縛り方は部位ごとに違います。「ロッパカラゲ」などの結び方を教えてもらって実際に自分でも結んでみました(実はすでに忘れています・・。)。

一通り茅葺き教室が終わった後、職人やスタッフの方と話をしました。
第1回に書いた段葺きの話や、茅葺きの耐久年数などについて、いろいろ教えてもらいました。
僕が熱心に聞いていたからか、茅葺塾への参加を勧められました。
茅葺塾とは、年4回、群馬県の川場村に行って、茅場づくりや茅葺建築等を学ぶ塾です。原則、世田谷区民じゃないと参加できないみたいですが、やる気がある人ならオッケーなようです(!?)。もうすぐ旅に出る予定なので今回は参加できませんが、帰ってきたら真剣に考えてみようかと思っています。

来週また来ることを約束して、次大夫堀公園民家園を後にしました。
この日はこの後、日本民家園と、狛江市立むいから民家園にも行きました。

カブトムシのたまり場

カブト虫のたまり場次大夫堀公園民家園の中を散策していたとき、ふと空を見上げると、カブト虫のメスが飛んでいました。
「あっ!」と早速写真を撮ろうと上を見ながら後を追いかけました。そのメスが止まった木に何気なく目を移すと、思わず「おーーっ!」と声を上げてしまいました!その木には、なんとカブトムシが、うじゃうじゃいます。

カブト虫がケンカ中2本のムクゲの木に、30匹は下らないであろうカブトムシが、縦横無尽に動き回っています。こんなにたくさんのカブトムシが集まっているところを見たのは初めてです。ただただ、感動!
その木には、「このカブトムシは持って行かないで!!繁殖中です。」と札がぶら下がっています。人為的にカブトムシを放しているのかな?と思い、民家園の人に尋ねると、毎年、勝手にカブトムシが集まってくるということです。いやぁ、ここは、ものすごい穴場です!でも、採集しちゃダメですよ!?

僕は、カブトムシやクワガタが大好きで、前回の旅の前(約3年前)、埼玉県や千葉県に遠征して捕まえてきたカブトムシやコクワガタを、家で飼っていました。
当時、カブトムシ以外にも、荒川の土手でガサガサ(水辺などでタモを使って魚を捕まえること)をして捕まえた、テナガエビや、どじょう、メダカなども飼っていました(カムルチー(雷魚)の子どもを捕まえたことも!)。

身近な生き物を飼っていると、自分の身の回りの自然が、豊かで、多様性があり、魅力的なものだと気づかされます。
自分のすぐ隣にある自然の素晴らしさに共感することが、生きとし生けるものの幸せな共存につながるんじゃないかと勝手に夢想しています。

7月31日(土)、「生田緑地サマーミュージアム:納涼民家園」を開催している日本民家園へ。

トラストセンターの掲示板途中、寄り道がてら、世田谷区を流れる野川に沿ってのんびり走っていると、「世田谷トラストまちづくりビジターセンター」という建物を発見。
中には、世田谷区や、国分寺崖線、世田谷区に住む生き物の紹介パネルなどがあります。このような施設で定番の、手書きの白板ニュースもありました。

前回の旅の間にも、頻繁にこのような施設に訪れていました。
特に印象深かったのは、北海道の羅臼ビジターセンターと、霧多布湿原センターです。

羅臼ビジターセンターの白板ニュース
羅臼ビジターセンター:知床インフォメーションマップ
さすが、生き物と自然が共生する、世界遺産:知床。「ヒグマ出没!」のお知らせが、いたるところにあり、妙に生々しい。ここビジターセンターの近くでも目撃情報があったと聞いて、恐怖と同時に、恐いもの見たさの好奇心を感じた。海では、イルカや様々なクジラが顔を見せているようだ。おっと、シャチの群れまでやってきている!

湿原センター 中2の子の自由研究
霧多布湿原センター:中2の女の子の自由研究
長崎県から霧多布まで、毎年通ってくる女の子がまとめた、霧多布湿原に関する自由研究。いやぁ、とても詳しいうえに、わかりやすい、素晴らしい自由研究だ。僕の“夏休みの自由研究”『お雑煮』をまとめるためには、この子の爪の垢を煎じて飲まないといけないかな!?

トラストビジターセンターの小物たちシアタールームで、野川の四季をつづった映像を見た後、センター内をきょろきょろ歩き回り、そこのスタッフの方と話をしました。話の途中、スタッフの方が、机に置いてあった液体の入ったペットボトルを手に取り、それを振るとブクブク泡が立ちました。中には、水と世田谷区で採れたムクロジの実が入っています。ムクロジは、別名セッケンノキと呼ばれ、昔、石けん代わりに使用していたそうです。

ビジターセンターをでたあと、次大夫堀公園民家園へ。しかし、今日は茅葺き作業をしていなかったので、旧城田家住宅でしばらく涼んだ後、日本民家園へ行きました。

日本民家園に入園するとすぐ、懸案の「合掌造りの段葺き」について質問しました。
今回は、学芸員の方が奥の部屋にいたので、話を聞くことができました。

北國新聞の記事の通り、「現在、確かに五箇山では段葺きをしていないが、かつて、五箇山の合掌造りは段葺きで葺いていた。」という趣旨のことを、話し始めました。民家園では、設立当初から、五箇山の職人に「段葺き」にしてほしいと特別オーダーをだしているそうです。民家園は実際の生活の場ではないので、「段葺き」に固執することができたのでしょうか?
ただ、民家園に五箇山の合掌造りは3棟ありますが、そのうちの1棟は「段葺き」ではありません。そのことを質問すると、その1棟は、同じ五箇山でも2棟(桂集落)とは筋違いの「利賀集落」の民家で、その地域は元々「段葺き」ではなかったということです。

謎は1つ解決しましたが、「白川郷では段葺きはなかったのか?」などまだまだ疑問な点はたくさんあります。しかし、残りの質問は、実際に五箇山や白川郷に行ったときに現地の職人や古老さんに聞こうと思っています。
また1つ、楽しみが増えました。

浴衣姿のかわいい女の子たちが打ち水「納涼民家園」の行事として、打ち水や、洗濯板体験、蚊帳体験、民家でごろ寝体験などが催されていました。外では女の子が打ち水をして、民家の中では僕がごろ寝。暑さは吹っ飛び、しばらく夢の世界でまどろんでしまいました。

午後5時45分からは、旧作田家住宅で神田京子さんの講談が始まりました。板の間に座布団を敷き、怪談が始まります。「うらめしや~、うらめしや~・・・ギャー!!!」のところで、僕もみんなもビックリ!
背中にひんやりと冷たいものが流れ、ゾクッと一瞬、カナシバリにかかりました・・。

母の塔前広場で「masa2sets」がライブ中6時半に民家園を出て、生田緑地の木立を通り抜け、母の塔前広場に来ると、登戸を中心に活動している「masa2sets」がライブをしていました。けっこう好きなサウンドです。自然に身体がリズムをとる、サマーチューン。軽快なMCがさわやかな風を届けます。野外でこそ持ち味が出るバンドだと思いました。要チェックですっ!

東南アジア(タイ・ミャンマー)の茅葺



タイやミャンマーに行ったとき、都市から離れたところでは、茅葺き屋根の民家をよく見かけました。
※上記のビデオの後半に少し、茅葺き小屋が映っています。

山岳民族の家?茅葺き屋根、竹壁の簡素な家特に、タイからミャンマーの国境に向かっている途中、山岳少数民族の茅葺き集落が点々と目に付きました。

日本では、茅葺き屋根を葺くことはとても大変なので、ミャンマー人の友人に「ミャンマーではどうしているのか?」と、尋ねてみました。友人は、「ミャンマーでは、出来合いの、竹の皮を編んだ竹皮壁や、簡易茅葺き屋根がとても安く売っていて、それを組み合わせて、家を作っているんだ。」と言っていました。トタンとは比べものにならないほど、安いそうです。

日本の豊かさを実感させられます。

山岳民族の家?茅葺き屋根、竹壁の簡素な家でも、幸せは、絶対にお金じゃ買えません!
お金がなくても、楽しいことはそこらへんに転がっています。
その集落にいる人々の笑い顔を見ていると、僕の顔からも自然に笑みがこぼれました。



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6 件のコメント:

狛 さんのコメント...

最後の部分を読んで清貧の思想に通じるものを感じました。
お金がなくても、おかき&コーヒーで空腹は満たせるかもしれません。
しかし、よりグレード高いものを食べたいという野望は抱かれていないのでしょうか?

Masato.M さんのコメント...

> 狛さん

野望?
それは、僕にとって野望でも、願望でも、憧れでも、ありません。
日々、手にとることのできる食べ物を感謝していただく。ただそれだけです。
清貧かどうかわかりませんが、「貧しい」ことは、決して卑下されることではありません。
もうすぐまた、食パンの日々が始まります。
僕の「食に対するスタンス」は、おいおいブログに書くつもりです。

優花 さんのコメント...

とても興味深いブログですね!
民家園のお話、とっても楽しいです(^0^)

“誇り高き貧乏人”を目指されている水野さんは、お勤めはされてないんですかー?
とっても気になりますので、よかったら教えてください!

ではまた♪

Masato.M さんのコメント...

> 優花さん

コメント、ありがとうございます。
そう言っていただけると、大変うれしいですっ!

お勤めですが、、してません(汗)。
昔、数年、会社で働いてたことはあるんですが、基本、気ままにアルバイトなどして食いつないでいます。
「小さく儲けて、小さく使う。」をモットーにしています。

これからも、たまにブログを読んでくださいね。
よろしくお願いします。

優花 さんのコメント...

早速のコメ返信ありがとうございますっ!
書き込みのタイミングがよかったのかしらん♪

>お勤めですが、、してません(汗)。

ふふ、タフな生活スタイルですね!
最新記事の「国立国会図書館サーチ」も楽しく読ませていただきました。
もっともっと、記事を執筆される頻度を上げてもらえると嬉しいです(^0^) 水野さんの情報も織り交ぜながら。。。

>これからも、たまにブログを読んでくださいね。

いえいえ、豆にチェックさせていただきます!
そういえば、写真撮るの上手いですよね~ ではまた♪

Masato.M さんのコメント...

> 優花さん

写真のことについて、褒められたのは初めてです。
どうもありがとうございます。

もっと記事を書きたいのですが、なにぶん、筆不精なもんで・・。
近いうちにまた、記事をアップします。

叱咤激励、よろしくお願いします。

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