2010/09/03

リベンジ!国立歴史民俗博物館 ~ミュージアム好きの見果てぬ夢~

8月29日に、もう一度、国立歴史民俗博物館(歴博)に行ってきました。

おとといは、予想外の疲労のため、全然見ることができずに閉館になってしまったので、リベンジマッチを挑みました。
今回は準備万端、気付け薬としてコーヒーも用意して、開館と同時に入場です。

国立の博物館・美術館はどこもそうですが、量と質が半端ありません。
東京国立博物館国立科学博物館など、何度行っても1日で全てを見切ることができません。


ここ歴博も同じく、幾層にも渡る展示の数々に圧倒されます。

特に、江戸時代までの歴史展示が秀逸です。
ここの展示物は、複製品が多いのですが、僕は本物にあまりこだわっていないので、解説パネルを読むだけではなく、レプリカでもなんでも、それに伴った展示や模型があることで、より深く頭に残るような気がします。

また、国立の施設のいいところの1つが、写真を撮っても大丈夫なところです。

多くの博物館や美術館では、撮影禁止となっているところが多いのですが、国立の博物館・美術館は、写真撮影オッケーなところが多いです。
これだけ、ごっちゃりと解説や展示物があると、1度見ただけ・読んだだけでは理解することができません。写真を撮っておけば、後で何度も確かめることができ、より理解が定着します。

パーント 宮古島島尻
沖縄のシーサー。村の守り神。
「獅子」の沖縄ヴァージョンだが、どことなく愛らしく、かわいい。

もう少し歴博の写真を見たい方は、
Webアルバム ぶらっと日本めぐり⑦ 国立歴史民俗博物館
をご覧ください。

常設展示鑑賞後、現在開催中の特別展「アジアの境界を越えて」を見ましたが、こちらは、網走の北海道立北方民族博物館と、タイのチェンラーイにある山岳民俗博物館、先日見に行った東京国立博物館の特別展「誕生!中国文明」&東洋ギャラリーの超ダイジェスト版という感じで、常設展の充実度と比べると、ちょっと物足りなく感じました。

※ただ、カタログは分厚く充実していて、展示されていなかった北方世界の衣装の写真や、詳細な解説など、とても読み応えのある内容でした。

特別展を見終わったあと、まだ少し時間があったので、かけ抜ける感じで見た、第6展示室(現代)や、第3展示室特集展示『伝統の朝顔』などをもう一度回り、午後5時の閉館と同時に外に出ました。

実はまだ心残りはありますが、何とかリベンジできたようです。
今度、旅から帰ってきたら、またじっくり来てみようと思っています。

おすすめの博物館(前回の旅より)

前回の旅では、町の郷土資料館から国立の施設まで、気になった多くのミュージアムに行ってきました。
その中で、特に興味を引いた博物館が、網走にある北海道立北方民族博物館と、大阪にある国立民族学博物館、そして、秋田県立博物館です。

北方民族博物館 イヌイトの竪穴住居ジオラマ北海道立北方民族博物館では、アイヌだけではなく、サミコリヤークなど、北方民族一般の文化等の紹介をしています。
イヌイトやサミの服装や、イヌイトの竪穴住居ジオラマなどがあり、極寒の地に住む人たちの、生きるための知恵や技術、工夫に驚きました。

民族学博物館 ゲルの外観国立民族学博物館では、世界中の各地域独自の文化や、風俗、風習の紹介をしています。
アボリジニのドリーミングについてや、トルコの水たばこ、インドの山車、韓国の茅葺き模型、モンゴルのゲル、タイやベトナムの楽器などなど。あっ、それとオーディオガイドも無料です。とにかく見どころ満載すぎで、興味が尽きません。特にビデオテークの充実度がすごいです。
ここなら1週間通い積めても、まだまだ楽しめます。

秋田県立博物館そして、秋田県立博物館です。

竪穴住居の復元模型などがある「秋田の歴史」や、マンモスの骨格標本模型や、植物、昆虫、動物、鉱石の標本などがある「自然展示」など、とても充実した展示になっています。

特に、僕の興味を引いたのは、「菅江真澄資料センター」です。
菅江真澄は、江戸時代の人で、東北や蝦夷地(北海道)を歩き回って、その土地土地の習俗について、スケッチしたり、書き残したりした人です。この人を知って、「記録に残すってことは大切なことなんだ。」と深く感銘を受けました。

もしみなさんも、行く機会があったら、これらの博物館を訪れてください。きっと大興奮することうけ合いです!?

■三重県立博物館への、大いなる期待!

現在、三重県では、平成26年の新県立博物館開館に向けて、議論が重ねられています。

三重県の新県立博物館整備について


前回の旅で、最も長く滞在していたのが、三重県です。

西に大阪、東に名古屋という大都市圏に挟まれている三重県には、西の文化と東の文化の両方が存在しています。それを象徴するように、お雑煮に入れるお餅を丸餅と角餅に分ける境界線が、布地山地に沿って、三重県を東西に切り裂くように走っています。

また、三重県には、特色ある「山の文化」や「海の文化」があり、伊勢神宮や熊野の「信仰の文化」も存在しています。
それぞれの文化の影響を受け、お雑煮も県全体で統一感がなく、バラエティーに富んでいます。

悪く言えば、混沌としてまとまりがありませんが、よく言えば、これほど多様性のある県もないのではないかと思います。
そんな三重県の博物館。期待しない方が無理というか、期待は高まる一方です。

それともう一つ、僕が密かに期待しているのは、「入場料の無料化」です。

ここ数年、「全国学力テストで、毎回、秋田県が上位に来るのはなぜ?」と話題になっています。
先ほど、僕がとりあげた秋田県立博物館の常設展は、入場料無料です。
僕は、このことも、その答えのひとつなのではないかと思っています。
広く市民に利用してもらうために、秋田県は公立の施設はなるべく無料化しようという方針だそうです。そして、それを受け入れる秋田県民の県民性が、学ぶ力を高めているのではないかと考えています。

元々、三重県立博物館の入場料は40円だったようですが、クリス・アンダーソン『フリー <無料>からお金を生み出す新戦略』に挙げられているダン・アリエリーの実験(ハーシーズのチョコの値段を「1粒1セント(1円)」から「無料」にした途端、爆発的に選択されるようになったという実験。) のように、40円と「無料」の効果は全く違います。

入場料の無料化は、より多くの人々が県立博物館に訪れる動機となり、その志が、人々の三重県を愛する心を高め、人々を三重県に引きつけることに、大いに貢献すると思います。

秋田県立博物館の他にも、宮崎県総合博物館鹿児島県立博物館など、常設展無料の県立博物館はございますが、これに続くよう、三重県の英断を陰ながら期待しています。

ぐるっとパス

今年の冬、「ぐるっとパス」というチケットを買って、都内の博物館や美術館、動物園などをうろつき回っていました。

このチケットは、定価2000円で、最初に使った日から2ヶ月間、都内70カ所の施設に行くことができます(森美術館等、割引のところもあり。)。

毎日のように、どこかの美術館にせっせと通って、追加料金なしで、行けるところはほぼ制覇しましたが、東京にこんなにも多くの、見応えのある美術館や博物館があるのには、心底驚きました。

東京は、芸術作品の量や質に関して、十分、海外の都市に匹敵しているのに、多くの施設に分散しているためにその真の力が発揮できていないのではないか?と思いました。

日本を代表する、世界に誇れるミュージアムは、どこでしょうか?

浅学者のただの思いつき・戯言というか、あるいは、多くの人が考えていることかもしれませんが、例えば、上野公園にある各国立博物館を統合し、東京国立博物館は「日本・東洋部門」、国立西洋美術館は「西洋美術部門」、国立科学博物館は「科学部門」などとして、「東京大博物館」を新しく生み出すというのはどうでしょうか?

「イギリスは、大英博物館。」、「フランスは、ルーブル美術館。」、「アメリカは、メトロポリタン美術館。」というように、「日本は、東京大博物館。」といえるような、芸術に興味のない人でも知っている「世界規模のメガ博物館」を作りだすのは、絶対ワクワクすることだと思います。

なぜなら、そういうものができたら真っ先に僕が行ってみたいですし、そんな日本に誇りを持てると思うからです。
ランキングに参加しています。
にほんブログ村 日本の伝統・文化 人気ランキング
↑クリックしていただけるとうれしいです。
いつも、温かい励まし、ありがとうございます。

2 件のコメント:

狛 さんのコメント...

土偶を見ていると時を超えて、縄文人と対話出来るかのような気分になるのだけど、土偶から何か感じるものありますか?

Masato.M さんのコメント...

> 狛 さん

狛さん、「縄文人と対話」って、何かロマンチックですね。

土偶は僕も大好きです。
土偶はほんと色々な形のものがあり、縄文人たちの独創力には感嘆しっぱなしです。

僕が土偶から感じるもの・・・。それは「愛」です。
土偶は女性をかたどっているものが多くあります。男性の縄文人たちは、自分の好きな女性に思いを馳せながら、これらの土偶を作製したんじゃないでしょうか?
※ずいぶん、おちゃめ(?)にしていますが(汗)。

コメントを投稿