- お雑煮マップ 1(三重・奈良・大阪)
- お雑煮マップ 2(東京・長野)
※先日、最近聞いた東京等のお雑煮マップを作成しました。この先の旅で聞くお雑煮はこちらに加えていく予定です。
お雑煮のアイコンは、
- 餅の形
- 餅の状態(焼or煮)
- 味付け
具に関しても、地域によって違いがあります。具はアイコンで区別することが難しいので、言葉での説明だけにしています。特に気になった違いは、ブログに書いていきたいと思っています。ダシについてはこちらから尋ねることはないのですが、話の中で教えていただいた時は、記入しています。
また尋ねた人の年齢(世代)も記録しています。- 世代によって雑煮が違うのか?
- 世代における雑煮の移り変わりがあるのか?
Fは女性で、Mは男性。独断で、70歳、55歳、40歳、20歳で世代を分けています。尋ねた人の年齢に関しては、僕の直感で判断しているので、違うこともあると思います。
どちらかと言えば、女の人にお雑煮のことを尋ねています。女の人の方が、家の外で庭の手入れや家事仕事などをしていたり、スーパーなどのお店にいたり、井戸端会議をしていることが多いからです。また、実際にお雑煮を作っていることが多い女の人の方が、詳しく覚えていることもあります。
また、特にお年寄りの方に尋ねています。
お雑煮の地域の違いを知りたいと思っているので、勢い、お年寄りの方に昔ながらのお雑煮について尋ねてしまうというのもありますが、若い人に尋ねるとナンパみたいになってしまうし(思い込み?)、やっぱり性格上(?)気後れしてしまうのもあって、若くてかわいい人に声を掛けづらいというのもあります(言い訳がましい・・・。)。
雑煮の地域性が失われていく理由として、
- 食の多様化
- 交通網の整備
- 家意識の崩壊
- 各地域に住む人々が、生き抜くために一致団結して協力する必要性の消失
- 雑煮における「神人共食」意識の廃れ
各家庭のお雑煮の基準が「おいしいかどうか」になり、インターネットで検索すれば、クックパッドのお雑煮のような、“おいしい”お雑煮のレシピが山のように出てくる現代に、雑煮の統一を保つことは、ほとんど不可能だと思っています。
にもかかわらず、聞いて回っていると、現在でも地域のお雑煮の違いを感じることは多いです。
峠や川などの自然の障害を越えると、それまでとは趣の異なるお雑煮が飛び出し、「違う国に来た!」と実感します。また、お雑煮は江戸時代に庶民まで広まったと考えられるので、江戸時代の藩の区分も無視できません。
現在、地域に伝わる特定のお雑煮一色になることはほとんどありませんが、何人かの人に尋ねると、その地域に伝わるお雑煮の数が多くなるのがわかります。「この地域の雑煮はこれだ!」と断定することはできませんが、「この地域には、このような雑煮が多い。」ということはできます。
最後に、雑煮を聞きながら僕が感じた、超アバウトな、なんちゃって世代観について少し書きます。
- F1・M1:70歳以上
- 戦前世代。この調査の主役。地域の雑煮の第一の伝承者。柳田国男が大正時代に嘆いた「失われゆく地域性」は、いまだ、この世代に健在している。自家菜園の野菜を融通しあったり、お味噌を作ったり、“全てが乏しかった時代”の習慣を変わらず続けている(特に山の中)。餅へのこだわりは強く、餅は大切な思い出の1ページを飾っていたりする。話をしていると、いつの間にか戦争のころの話に。脳裏に刻まれ、忘れることができない悲しい記憶。その熱い物語を聞いてると、時の経つのを忘れ、共に涙することも・・・。
- F2・M2:55~70歳
- 戦後世代。地域性は薄れるが地域への愛着の強さは感じる。その地元の出身じゃない人が多くなり始める。はじめ、「私よりもっと年寄りが知ってる。」と言われるのに驚いた。この世代はまだまだ若い。
- F3・M3:40~55歳
- 「20世紀少年」世代。お雑煮は変わりなく食べているが、「元旦はみそ、2日はしょうゆ」など、色々なお雑煮を楽しんだり、「昔は餅を煮ていたが、今は焼いている。」など、地域固有のお雑煮から離れ、独自のお雑煮を作る人が多くなり始める。
- F4・M4:20歳(社会人)~39歳
- 僕を含む若者世代。雑煮へのこだわりは、正直うすい。小さなころから、世界中の食を楽しめ、多様な価値観にさらされていた。お餅やお雑煮は「好きじゃない。」「食べない。」と言う人もちらほら。雑煮への思いを繋ぎ止めておくのは難しい。
- F5・M5:~20歳(学生)
- 次代を担う世代。彼・彼女らの時代のお雑煮は・・。
次回は、お雑煮の違いについて地域を限定して具体的に説明します。
2 件のコメント:
行ってらっしゃい!
水野の楽しくもストイックな話し聞いて
元気いただきました。
旅先で会えたらいいな。
道中気をつけて!
> サエキさん
今日はとても楽しかったね!!
旅先で会えたら、最高に面白そうだ。
連絡取り合って、是非会おう!
食パン食いながら、どこでも駆けつけますぞ。
行ってきますっ!
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